鏡の国のアリスと右脳の森

こんにちは、Atelier Aliceオーナー、イラストレーターの歓崎花鈴です。

 

今日は「鏡の国のアリス」のおはなし。

 

アリスが森の中で自分の名前を思い出せなくなって、

子鹿と仲良しになる場面がありますよね。

 

不思議の国のアリス イラストアリスの日めくりカレンダーNo.22より

 

とある森に入ると、

アリスも子鹿も、自分が誰だか思い出せない。

ある意味記憶をなくしているんだけども、

その森にいる間は「人間」と「野生の鹿」なのに仲良し。

だけど森を抜けて記憶が戻ったとたん、

「君は人間じゃないか!」と

子鹿は仰天して逃げて言ってしまいます。

あれ?

これって何かに似てる。。。

 

 

 

 

 

 

ちょうど「鏡の国のアリス」を読み返していた時に、

デザイナーのお友達から、この動画いいよってメッセージがきたんです。

これぞシンクロ。

それは、アメリカのジル・ボルト・テイラー博士のこちらの講演動画です。
https://www.ted.com/talks/jill_bolte_taylor_s_powerful_stroke_of_insight?language=ja&utm_campaign=tedspread&utm_medium=referral&utm_source=tedcomshare

 

博士は脳科学者なのですが、

なんと、ご自身で脳卒中を経験されたんですね。

 

ある朝、突然左脳の血管が破裂し

症状が進む間に、自分がこれまで記憶してたことが

思い出せなくなっていくんです。

 

右脳と左脳の違いを私はざっくり

「右脳は感じる脳(幸せ脳)」

「左脳は考える脳(論理脳)」

みたいに捉えていますが

博士の話の中でも、

「右脳は現在がすべて。見えない感覚(五感)、イメージする。」

「左脳は過去と未来(時間)があり、記憶し分類し、言語で考える」

と言っています。

 

博士は症状が進む中で

左脳が麻痺しているときは記憶がなくなり

助けを呼べないので現実的には大変な事態。

でもその右脳だけがはたらいているときはとても気持ちがよく、

個が薄れて意識が拡大するような感覚になるのですって。

自他の区別ない、全体に広がる感覚。

アリスと子鹿も、

記憶をなくしているときは仲良し(一体感)なのに、

記憶が戻ったら

「人間は危険!」

っていう左脳の記録がよみがえって、

子鹿は逃げていってしまう。

わー、同じだ!って思ったんですよね。

 

アリスは1800年代に創作されたお話なのに、

まるで現代の脳科学のことがわかっているかのような。

だって、右脳教育で有名な七田眞先生が

1960年代にアメリカで分割脳の研究が始まるまでは、

左脳が優位脳で、右脳は原始脳とみなされてきたと

おっしゃっているんですもん。

 

作者のルイス・キャロル氏は

天からインスピレーションが降りてきたのでしょうか。

 

アリスってやっぱり奥深い。

名作って何かしら宇宙の真実を含んでいるのかもしれないです。

 

ジル・ボルト・テイラー博士の体験は本にもなっているんですね、

レビューもすごくいい。

きっと講演の話は一部なので、読んでみたいです。

博士は、

左脳の機能が低下し、右脳の働きが主になったとき。

ストレスがなくなり、平和で満ち足りた気分が

それは素晴らしいのだとおっしゃってて。

その気分を、脳卒中にならずに体験したいものです。

近年、マインドフルネス、瞑想とか座禅が流行っているのも

左脳をお休みさせるためなんだろうなって思います。

「意図して左脳から右脳へ歩み寄り

この平安を見いだすことができる」

博士はご自分の体験からそう思って、世界の人にそれを伝えるために

死の淵から生還し、8年ものリハビリに耐えたのだそうです。

感動します(T_T)

 

さて、不思議なアリスの世界、

次は「アリスと量子物理学」について書いてみたいなと思っています。

お楽しみに^^